大学では学生からも「何が専門?」と問われるカオスな人間の世界です。

ようこそ 西洋中世史/イタリア史/食文化に取り組む山辺規子のページです

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こんにちは

奈良女子大学文学部の山辺規子です。



ここにどうやっていらっしゃいましたか?

何かのキーワード検索でいらした方、いろいろなものが並んでいるので、「こりゃなんだ?」と思われたかもしれません。


奈良女子大学で

 私は奈良女子大学では文学部人文社会学科で西洋史を担当しています。
 もう一人の先生がフランス近代史の先生なので、私の担当は前近代西洋史です。といっても、古くは古代オリエント世界から、イスラーム世界、近世ヨーロッパ世界、このあたりも担当することになっています。

 奈良女子大学にはいわゆる世界史の担当は西洋史2、東洋史2しかいませんし、東洋史のお二方はいずれも中国史なのでイスラームあたりですと、かえって西洋史の方が近いことになります。実際学生さんによれば「カタカナで書く世界」は西洋史対象だそうです。


 奈良女子大学の学生さんなら、このあたりはご存じで、まずは授業関係に注目ですね。

イタリア史

 私の専門は一般的には中世イタリア史といわれているところでしょう。たぶん。

 イタリア史は、イギリス史やフランス史、ドイツ史ほどメジャーではありません。

 一つにはことば。英語はもちろん、フランス語、ドイツ語は大学で習う機会が多いことばですが、イタリア語はそうでもありません。

 二つ目には、イタリア史はまとまっていないということ。たぶん、たとえば世界史を勉強しただけで、イタリア史の流れを理解することは、とても無理です。いろいろな地域や都市勢力が分かれていて、どれかを中心に話をしても、イタリアを語ったといえません。いまだに一つになったのがまちがいという人も少なからずいます。自分のまち、地方以外に関心を持とうとしない人が多い世界にどっぷりとつかると、イタリア史の研究者でもなかなか説明することが難しいのです。その中で、私は北部にも中部にも南部にも手を出す変わり者です。

 でも、イタメシやイタリアンデザインの流行、美術などに親しむ動きなどから、イタリアに関心を持ってくださる方々も増えてきましたね。その時には、必ずしもどこかに限って考えているということではないと思います。イタリア史の研究者も増えてきました。その結果、これまであまり関心を持たれなかったところについても、研究する人が出てきましたし、すばらしい研究を公表している人もどんどん出てきています。私は、このようなイタリア史研究者といっしょにイタリア史の研究会をやっています。

 さらに地中海学会でもお仕事をさせていただいています。この学会でのつながりから、なんと2010年には地理のシリーズの本『地中海ヨーロッパ』の編者もしました。地理の本にしては歴史や祭り、美術といった要素がかなり大きな部分を占めている本になりましたが、これもF.ブローデル(『(フェリペ2世時代の)地中海』の著者)の伝統を引く世界ならではと思っていただければ、と思います。

 関心がおありの方がいらしたら、どうぞメッセージをください。

info@nyamabe.fem.jp

西洋中世史

 もともと私は西洋中世史について勉強しようと思っていましたが、必ずしもイタリアに限って勉強していたわけでもありません。というより、私が勉強を始めたときには、英独仏の歴史から入るのが当たり前でしたし、私自身最初はフランス史をやることも考えていました。最初に行ったヨーロッパの国もフランス、都市といえばパリでしたから。

 今も関西中世史研究会、そして2009年発足の西洋中世学会にも属しています。2009年10月には京都女子大学で開催された西洋史学会若手セミナーの企画にも参加しました。すてきな仲間といっしょになかなか画期的な試みもしてみました。

 その折にご一緒した方、あるいは関心をお持ちの方、どうぞメッセージをください。

info@nyamabe.fem.jp

食文化

 私はイタリアのボローニャ大学に留学していました。ボローニャ大学に留学した最初の中世史研究者ではないかと思います。そこでお世話になった先生が、今は亡きVito Famagalli先生。そして、そのいちばん弟子がMassimo Montanari氏でした。このモンタナーリ先生は、農村経済史の研究から食の歴史のその関心を広げ、今やおそらくこの分野の権威の一人となりました。彼が叢書ヨーロッパで書いたのが『飢餓と豊饒』。この本の和訳を、大分大学の城戸照子さん(彼女もボローニャ大学でFamagalli先生のもとで勉強しました)と手がけました。訳本を出すときには、既にこの本のタイトルを持つ本が刊行されていたことと内容から考えて『ヨーロッパ食文化』(平凡社)としました。

 そして、この本の刊行に合わせて、モンタナーリ先生を日本にお呼びしました。この時にお世話になったのが、味の素食の文化センターです。東京国際フォーラムで、同時通訳を2人使っての講演会を開催してくださったことをきっかけとして、何度か食の文化センター刊行の雑誌『VESTA』に寄稿することになりました。

 このようなセンターとのつながりから、2008年度の食のフォーラム「伝統食の未来」でイタリアの事例を紹介させていただくことになりました。

 これまで過去、それも遠い過去について研究してきた私にとおっては、これはかなりきつい仕事でしたが、結局オリーブオイルを中心にイタリア人が「たくさんの仲間で一緒に食べるConvivio」を重視する論を展開しました。

 これと平行して、『世界 食の歴史』という本の翻訳を、京都橘大学の南直人さんと一緒に監修しました。

 来年度以降も味の素食のフォーラムには参加予定です。

 自由な議論が繰り広げられる様子は、かつて参加していた京都大学人文科学研究所の研究会を思わせるフォーラムはとても刺激的です。ここから刺激を受けることを楽しみにしています。

 日本の食については、まだまだ勉強不足ですが、食の歴史に注目して歴史を見直すと、また見えてくるものがあり、現在概論では食文化史をおこなっています。

 何かアドバイスがあれば、よろしくお願いします。

info@nyamabe.fem.jp

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